池田義雄(セルフメディケーション推進協議会会長)
生活習慣病としての2型糖尿病については、医療スタッフとの協力関係の中で、チェック、ケア、プロモーションという形のセルフメディケーションを当然のこととして受け入れねばなりません。病気のもっている特質上、チェックの主体は血糖検査に求められ、その具体策が過去25年以上にわたって血糖自己測定(SMBG)として展開されていました。
この主要な成果は1型糖尿病を中心にインスリン自己注射療法を行なっているもので、明らかにされてきましたが、いまこれをインスリン自己注射療法をまだ必要としていない段階にあるもの、すなわち予備群や軽症糖尿病にも普及させる努力がなされています。
しかし、これには多くのバリアが存在します。身近な点では採血に伴う痛みの問題、測定に伴う費用の問題、頻回測定の困難さ等々です。このような諸条件を克服する形で予備群ないしは軽症糖尿病の初期変化として捉えられる食後高血糖の実態を無侵襲で、経済的にかつ頻回になされる手段として、尿糖検査の活用が積極的に見直される段階になってきています。
?タニタは2004年6月、バイオセンサーによる尿中ブドウ糖測定を簡便、安価、頻回に行なうことの可能にしたデジタル尿糖計を市場に送り出しました。
尿中には、バイオセンサーの機能に関して、干渉成分が大変多く含まれています。これらによる測定への干渉を排除し、0〜2000mg/dLまでの尿糖を定量しその成績をデジタル表示できるこの新尿糖尿計は、予備群を含めた糖尿病のセルフメディケーションにおいて新たなチェックの手段を提供します。それにより、見方によっては従来のSMBG(血糖自己測定)を超える有用性を発揮してくれる可能性がみえてきています。
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デジタル尿糖計の登場により、尿糖を試験紙法で半定量していた時代から、尿糖をデジタル測定できるという新しい時代を迎えていることを強く印象づけ、これが新しいセルフメディケーション時代における、特に糖尿病の一次予防に資する可能性を強く感じさせてくれる状況をもたらしています。20数年前「尿糖から血糖へ」というスローガンを掲げてスタートした血糖自己測定の有用性に加えて、ここに再び「尿糖の見直しとSMUG(尿糖自己測定)の活用」が強くアピールされています。
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