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加藤哲太(セルフメディケーション推進協議会理事)
白内障
 白内障とは水晶体の混濁により視機能が障害される状態を示します。水晶体とは、カメラのレンズにあたる部位で、加齢とともにその部位に不溶性タンパク質が増加するのが特徴です。

 本来、透明である水晶体が何らかの原因で混濁すると、目の中に入る光量が減少し、視力の低下や明るい場所で眩しさを感じたり、霞んで見えたりし、その程度は様々です。

 白内障は治療により視力を取り戻すことができる病気ですが、放置していると失明に至る合併症を生ずることがあるので、専門家のチェックをきちんと受けるようにしましょう。
分類と原因
 原因は、加齢に伴うことが多いのですが(40歳代では約30%、80歳代ではほぼすべての人)、最近では若年者にアトピー性皮膚炎を患う人が増え、そのうち約10〜20%の人が白内障を発症します。

老人性(加齢白内障)加齢
先天白内障骨形成不全症、ダウン症候群、ツェルウェガー症候群、先天性魚鱗癬など
代謝性白内障糖尿病、ガラクトース血症、低カルシウム血症、アミノ酸尿症など
外傷性白内障穿孔性眼外傷、非穿孔性眼外傷など
併発白内障ぶどう膜炎など眼疾患、変性(網膜・硝子体ジストロフィーに合併)、無酸素など
薬物性白内障ステロイド薬、クロルプロマジンなど
その他アトピー性皮膚炎、放射線、筋ジストロフィーなど
症状
 主な症状は視力障害、羞明、霧視で先天白内障は白色瞳孔を呈します。

 一般的に症状の進行はゆるやかですが、個人差があり、その進行状態は水晶体の混濁程度により4段階に分類されます。いずれも症状の段階が進行するにつれ視力低下につながりますので、早期発見と治療が何より大切です。

第一段階初発白内障(自覚症状なし)
第二段階未熟白内障(だんだん目が霞はじめる)
第三段階成熟白内障(水晶体が白濁し視力0.1以下)
第四段階過熱白内障(明暗しか判別できない)
治療
 治療は飛躍的に進歩した外科的手術が主流で、薬物療法は症状の進行を防止、あるいは遅延する目的で補助的に使用されています。

A. 手術治療
 視力障害をきたすようになる、または患者本人が希望した場合は手術適応になります。
 白内障手術は近代眼科学の中で飛躍的に進歩した技術で、現在、主に行われているのは濁った水晶体内容物を超音波で破砕吸引しながら除去し(超音波水晶体乳化吸引術(水晶体嚢外摘出術))、人工レンズを挿入する方法(眼内レンズ移植術)です。白内障が進行し、核が固い場合は、水晶体の核を丸ごと取り出す方法(水晶体嚢外摘出術)があります。

B. 薬物療法
 白内障は例外を除き、不可逆性に進行します。点眼薬(ピレノキシン、グルタチオン)や内服薬(唾液腺ホルモン、チオプロニン、牛車腎気丸)などがありますが、混濁が消失するような改善効果を期待するというよりも、病気の進行を遅くする目的で使われます。
予防
 水晶体が混濁する現象には生化学的過程があります。その中で鍵となるのは酸化還元の失調によっておこる酸化現象の亢進と考えられています。その亢進を防ぐためには紫外線や人工光を避けたり、たばこの吸いすぎに注意するなどが挙げられます。

 また、眼精疲労をためないことです。眼精疲労とは休憩しても疲れが回復しない状態です(バックナンバー参照)。最近は、目の酷使が原因で加齢白内障の発症年齢層が若年化しています。

 白内障に関する情報は下記から得られます。
2008年04月 掲載