自分の健康を自分でまもる セルフメディケーション・ネット
日本大衆薬工業協会  日本生活習慣病予防協会
 信頼の医療・健康情報グループ検索
   SMACの概要 |  プロジェクト会議 |  資料室 |  SMA staff |  会報 |  寄付のお願い |  リンク集 |  談話室 |  SMAC事務局

バックナンバー    
池田義雄(セルフメディケーション推進協議会会長)
17. 喫煙習慣とがん

現在、わが国では5万人以上の男性が、毎年肺がんで亡くなっています。これは胃がん、大腸がん、肝臓がんよりも多い数字です。そして、この背景には喫煙習慣があります。

増えるがんによる死亡とその背景

 第二次世界大戦の前からその後期まで、皇室からは「恩賜のたばこ」が事あるごとに国民に贈られていました。特に紙巻たばこは手軽に吸えて、1本吸えばニコチン供給も十分です。ニコチン依存のある人にとっては、刻みたばこをキセルで吸っていた時代に比べて、喫煙満足度は何倍も高かまったことでした。

 このような理由もあり、紙巻たばこはこれまで長い間、毎年販売量を増やしてきました。しかし、がん(特に肺がん)の原因として喫煙が問題視されはじめるとともに、禁煙すること、させることは国民運動といっていいほどに盛り上がってきました。加えてタバコへの増税、健康増進法の制定などが相まって、最近では喫煙人口も減少しはじめました。

 しかし、たばこの販売量減少による効果(肺がん減少)は、しばらく先のことです。それまでわが国の肺がん患者数は、増え続けると予測されています。

がん予防の決め手は吸わない、吸わせない

 喫煙者は、自らの肺がんを含めたたばこ病(慢性気管支炎、肺気腫、心臓病、脳卒中など)の危険と同時に、住居を共にしたり職場を共にしたりする人達をも、副流煙によって同様の危険にさらしていることを自覚しなくてはなりません。女性の肺がんは、本人の喫煙によるケースよりも、近親者の喫煙が原因とみられるケースのほうが多いともいわれています。

 タバコがもたらす三大悪成分は、タール、ニコチン、一酸化酸素です。この3成分は多数の発がん性物質を含むタールを筆頭に、血管収縮を促進するニコチン、細胞への酸素供給低下要因である一酸化炭素、いずれも発がんの最初のステップである「DNAの損傷」を引き起こします。

 喫煙習慣からの脱却は、ニコチン依存の克服でもあります。そのためには、禁煙外来の受診など個人の努力に加えて、家族ぐるみ、地域ぐるみそして国ぐるみの対策が必要です。

2008年05月 掲載