自分の健康を自分でまもる セルフメディケーション・ネット
日本大衆薬工業協会  日本生活習慣病予防協会
 信頼の医療・健康情報グループ検索
   SMACの概要 |  プロジェクト会議 |  資料室 |  SMA staff |  会報 |  寄付のお願い |  リンク集 |  談話室 |  SMAC事務局

バックナンバー    
池田義雄(セルフメディケーション推進協議会会長)
25. 糖尿病とは「畏」の気持ちをもって付き合う
糖尿病と付き合う
 糖尿病は今日では、医師がもっとも多く診る病気になりました。患者さんの多くが中高年で発症する2型糖尿病で、その特徴は高血糖になるまでの期間が長く、病状の進行が大変緩やかな点にあります。

 糖尿病を気にされて初めて来院される方の中には、すでに糖尿病による合併症が進み体調を悪くしている方から、定期健診や人間ドックで糖尿病や境界型と言われた方まで軽重さまざまですが、昨今では検査で見つかる早期の糖尿病の方が多くなっています。しかし残念なのは、糖尿病の初期は症状や生活上の支障があまり感じられないので、つい糖尿病の診療を中断してしまい、後年、糖尿病状態で進行した合併症に苦しむ方が跡を絶たないことです。

 糖尿病と分かったらかかりつけ医を決めて、よく相談して定期的に受診を続けられるように計画をたてることが大切です。

 ある糖尿病で高名な先生がテレビ番組で「患者さんと裸で付き合う○○○○です」と自己紹介されましたが、患者さんもかかりつけ医の先生と誠意をもって率直に付き合っていかれるといいと思います。
体質と生活習慣
 2型糖尿病には、体質(遺伝因子)が深く関わっています。それは、現代の飽食時代の中で糖代謝をコントロールするインスリンの分泌とその効果が不十分になってしまうもので、日本人の約20%の人がこのような体質だと推定されています。

 興味深いのは、このような体質の人の全てが糖尿病になるわけではないということです。そこからは、高血糖が現れる背後にはその人の生活習慣が深く関わっている、という答えを導きだすことができます。

 また、がんや深刻な慢性感染症の場合、「闘病」という言葉が良く使われますが、遺伝因子が深く関与する2型糖尿病の場合には、「糖友」と言われるほどに病気との共存が強く求められています。

 そこで学ぶべきは江戸時代、貝原益軒が記した「養生訓」です。その中では、全ての生活行動に「畏」の気持ちをもつことが強調されています。まさに糖尿病こそはそうすることで、恐ろしい合併症を防ぎ、快適な生活を長く送ることが可能になることでしょう。
自己管理の徹底
 一方、糖尿病は「自己管理の病気」とも言われます。2型糖尿病の遺伝因子があったとしても、規則正しく「畏(おそれ)」の気持ちをもって、慎ましい生活を送ることで、インスリンの分泌能低下や作用不足をかなり防ぐことが可能です。基本はバランスのいい食事を適量に、ウォーキングなどで適度に体を動かすよう心掛けることです。そして、防ぎきれない部分については、その程度に応じて内服薬、さらにはインスリン注射療法で補います。そこから期待されることは、眼、腎臓、神経、心・脳血管、下肢に生ずるさまざまな糖尿病合併症の防止です。

 糖尿病自己管理の効果は、肥満の解消、HbA1c値6.5%未満(空腹時血糖値120mg/dL以下)、血圧(収縮期130mHg未満、拡張期80mHg未満)、さらに血清脂質の値の変化などで判断します。

 このごろ全国的にメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満症候群)を減らす運動が盛んになり、地方自治体や企業などが競ってキャンペーンを行なっています。意欲的な取り組みの中には、目標の減量を達成した人に賞をだすところもあります。(社)日本糖尿病協会・東京都支部(東京都糖尿病協会)では、すでに平成13年から優れた自己管理を維持しつつ、啓発活動に尽力されている方々を、「糖尿病師範」として他の糖尿病患者さんのお手本になるものとして認定しています。

 自己管理を徹底し、糖尿病であっても快適な生活を送れる方が1人でも多く増えることを願うものです。
2008年12月 掲載