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池田義雄(セルフメディケーション推進協議会会長)
26. 加齢とともに増える眼の病気―白内障、網膜症、緑内障、黄斑変性症―
目の構造

 眼の構造は、よくカメラに例えられます。レンズが水晶体、レンズカバーにあたるのが透明な角膜で、内側には房水が満たされています。一方フィルムに相当するのが網膜で、光は水晶体のレンズによって網膜上に像を結びます。その中心部に黄斑があります。網膜には光の強さや色に感じる視神経細胞が並び神経線維で中枢につながっています。

 視力低下は、これらのどこかに起こった病的な変化によるものです。

レンズが曇る白内障
 白内障は、本来透明であるべきレンズに相当する水晶体が、混濁してくる病気です。この中には眼の炎症や外傷などによる二次的な原因や、まれには乳幼児における先天的なものもありますが、多くの場合は老化現象によって起こってきます。

 水晶体の構造は、蛋白質と水から作られています。この蛋白質には水溶性と水不溶性のもがあり、95%の光を通す水晶体の透明性は、水晶体の蛋白質成分の大部分を占める、水溶性蛋白質によって維持されています。

 40代からみられる老眼は、水不溶性蛋白質が増加し水晶体の弾力性が失われ調節力が減退した結果です。

 さらに加齢に伴って増えてくるのが白内障です。早い人では40代から、そして80歳以上ではほとんどの方に発症がみられるとされています。加齢白内障と呼ばれるこの状態は、水晶体内に加齢変性による不透明な高分子凝集体が形成され、光がうまく通過出来ない状態だといえます。

 しかし幸いなことにこれに対する手術療法には素晴らしい進歩があり、高齢者の多くの方が光を取り戻し、快適な生活がおくれるようになっているのは喜ばしいことです。

フィルムを傷める糖尿病、高血圧、喫煙
 糖尿病や高血圧が充分にコントロールされないままでいると、網膜に酸素や栄養を供給している細小血管に障害が生じ、フィルムに相当する網膜に出血や白斑が生じ、視力の障害を来すようになります。

 なかでも怖いのは、糖尿病性網膜症です。現在、この病気が緑内障とならんで中高年者における失明の主要原因です。糖尿病の治療に際しては、このことを念頭に予防のための血糖と血圧のコントロールを行ないましょう。そして進行した場合には、局所療法としてレーザー光線を用いた網膜光凝固療法や硝子体手術などで失明を回避できるようになってはきてはいますが、予防のためには定期的な眼底検査を欠かしてはなりません。

 一方、長年月にわたる喫煙との関係から注目されているのが、老人性黄斑変性症です。これには2つのタイプが知られています。1つは萎縮型(非浸出型)、もう1つは浸出型です。大部分(9割)は前者で占められ、進行は緩徐なのですが予防が肝心です。このためには、禁煙、紫外線のカット、豊富な野菜の摂取が勧められます。

 なお後者は進行が早く完全失明に至る確率の高いことが知られ、高齢者に完全失明が起こる疾患として重視されるようになりました。従来はなかなか治療が難しいとされていましたが、近年では積極的に網膜光凝固の応用や硝子体手術が行われるようになっています。

房水の圧(眼圧)と視神経が関わる册眈
 角膜と水晶体の間に満たされた房水の圧(眼圧)や視神経に異常が起こる病気で,現在では糖尿病性網膜症と並んで失明原因の上位にある疾患です。

 早期に発見して適切な治療すれば多くは悪化や失明を回避できるのですが、早期には症状が乏しく、病気が進行して視野狭窄や視力の低下が現れてしまうとなかなか回復できず失明に至る例も見られるのが実情です。特に急激な眼圧の上昇が起こり、眼痛、充血、目のかすみ、頭痛、吐き気などを伴うときは迅速な治療が必要です。

 緑内障による失明を減らすためにも40代になったら眼圧のみならず、視野検査も定期的に受けて、予防のための早期発見を心がけたいものです。

2009年01月 掲載