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池田義雄(セルフメディケーション推進協議会会長)
27. 高血圧の自己管理―家庭血圧をはかりましょう
国民3人に1人が高血圧
 厚生労働省「平成18年国民健康栄養調査」によると、わが国の高血圧者は約4,000万人と推定され、これは国民約3人に1人に相当します。また、30歳以上の男性47.5%、女性43.8%が高血圧者という調査もあります。その上、高血圧者の約半数が適切な治療を行っておらず、若者にいたっては8〜9割が未治療といわれます。
 高血圧には遺伝の関与の大きいことが窺われますが、生活習慣病であるともいえ、食生活における塩分の摂り過ぎや運動不足、飲酒、喫煙、ストレスそして肥満がその病状に深く関係しています。
高血圧は脳、心臓、腎臓を悪くする
 高血圧では血圧が高いほど、脳卒中、心筋梗塞、心疾患、慢性腎炎(CKD)などの罹患率および死亡率が高くなります。とくに脳卒中発症との関係は強く、国民の平均収縮時血圧が2mmHg低下すると脳卒中罹患率が約6%、虚血性心疾患は約5%減少するといわれます。
 わが国では脳卒中は1965年をピークにその後減少に転じてきています。これには国民の血圧水準低下が大きく寄与しています。なかでも、減塩の寄与が注目されます。例えば1950年代の東北地方での食塩摂取量は1日25gにもなっていましたが、現在わが国の平均食塩摂取量は1日11〜12gと推定され、さらに10g以下が目標となっています。
 また、糖尿病や慢性腎臓病(CKD)予防・進行抑制には血圧管理が必須とされ、降圧目標もより厳しい値になっています。
家庭血圧を重視
 医療機関等での血圧測定「診察室血圧」では、白衣高血圧といって通常生活での血圧値よりも高い血圧値を示す傾向がみられます。日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2009」では、患者さんが自宅で測る「家庭血圧」は精神的並びに肉体的な影響を受けにくい血圧値だとして重視しています。「家庭血圧」は「診察室血圧」より平均5mmHg低いとし、「診察室血圧」、「家庭血圧」それぞれの降圧目標値が公表されています。
家庭血圧を測る
 高血圧と診断された場合や、高血圧の治療中である場合には、「家庭血圧」による自己管理が重要です。上腕カフではかる家庭用血圧測定器を使用して、朝起床時を必須とし、可能であれば就寝時にも測定することが勧められています。
  • 朝起きたら排尿を済ませ、座って1〜2分安静にしてから測ります。これは起床後1時間以内、食事・服薬の前であることが条件です。なお測定は原則として1回目とします。
  • 夜は就寝前、座って1〜2分安静にしてから測ります。こちらも測定は1回目とします。
  • その他かかりつけ医の指示により、夕食前、夕方の服薬前、入浴前、飲酒前、深夜などにも測定します。
  • 全ての測定値には日時を付けて記録し、血圧の日内、並びに日差変動について、これらを治療の参考としてもらいます。
降圧目標
区 分診察室血圧(mmHg)家庭血圧(mmHg)
若年者・中年者130/85未満125/80未満
高齢者140/90未満135/85未満
糖尿病患者
慢性腎臓病(CKD)患者
心筋梗塞後患者
130/80未満125/75未満
脳血管障害患者140/90未満135/85未満
「高血圧治療ガイドライン2009」日本高血圧学会発行、2009年より引用
一無、二少、三多のすすめ
 高血圧と診断された人は、上記の表で自分が該当する降圧目標値以下になるよう血圧をコントロールすることが、脳卒中、心筋梗塞、心疾患、慢性腎炎(CKD)などを防ぐ重要なポイントとなります。そのためには、多く場合薬物療法を必要としますが、降圧薬の進歩は著しく降圧目標達成の確実性が増しています。
 そして、基本となる生活習慣は以下の「一無、二少、三多」こそが望まれます。
2009年02月 掲載