14. 痛みや不定愁訴の70%は簡単運動でらくらく解消!
菅野 隆(セルフメディケーション推進協議会理事 健康運動指導士)
![]() 運動実践のために、まずは、体の痛みや不定愁訴の解消が切実なニーズ
早1月も終わろうとしておりますが、私が担当する教室では「暮れ正月太り」の方が早期のリカバーとコンディショニングに真剣に取り組んでおられます。
ところで、私は8年前に新宿のクリニックで週2回、運動療法の仕事をしていたのですが、当時来られる方のほとんどは、肥満や生活習慣病(メタボ)の改善というよりは、まずは切実な腰痛や肩こり、関節の痛み、四肢のしびれなどに悩む方でした。
メタボの方もやはり運動不足ですから、その多くが体の痛みや不定愁訴を抱えていていることでしょうね。まずは、前向きに支障なく運動できる身体のコンディションを整えることが、運動を習慣化する鍵でもありましょう。
それ以来、私は、整形外科、理学療法、鍼灸、整体、カイロなど、優秀な先生がいればいろいろと指導を請い、自分でそれらの身体症状を解消できる運動プログラムの研究をしてきたのですが、それが後の高齢者の運動教室指導で非常に役立ち、喜ばれることとなりました。
高齢者は誰しも、必ずといっていいほど腰、膝、肩などの関節の痛みや四肢にしびれなどの悩みを抱えていて、何も不定愁訴がないなどという方はほとんどいません。これは、中高年、いや、20〜30代でも割合こそ下がれども、メカニズムは同じ、同様だと言えます。
痛みや不定愁訴の約70%は
資料1は私がこの3年間で担当させていただいた、高齢者(7教室)と中高年(H、Iの2教室)の3ヵ月以上継続運動教室における「痛み、不定愁訴の改善」アンケート結果です。(総数=144人)
このデータから言えることは、痛みや不定愁訴の約70%は、適切に運動すれば解消できるということです。しかし、多くの方はそれを認識しておらず、逆にそれらが原因で、「痛いから動かさない」、「動かさないから痛みが増幅する」という、ますます症状を悪化させ運動不足になる悪循環(ネガティブスパイラル)に陥っているといえます。
痛みを我慢して運動することは禁忌ですが、とにかく、痛まないような動かし方で、ポイントをおさえ、体をこまめに動かすことが大事なのです。
簡単かつ適切な運動で解消できます! 痛みや不定愁訴解消運動プログラムの原理原則
資料2は、私が運動指導者約100名を対象に行った研修会で配布した資料です。症状個別にはご紹介できませんが、原理原則は、「固まって、血液循環が悪い、冷えた身体部位や全身をとにかく痛みを感じないような動かし方でこまめに動かし、筋や結合組織をゆるめ、血液循環を促進し、温める」ことで、その約70%はウソのように解消してしまうのです(※急性期を除く)。
90分の教室では、有酸素運動はせいぜい10〜20分、筋トレは5分〜10分程度しか行いませんので、その他の時間はあの手この手で徹底的に「体をゆるめ、ほぐす」運動プログラムを行ないます。
「老化」とは「体の硬化」といっても過言ではありません。まずは、固まった体をゆるめ、ほぐし、開放された快適な体で、気持ちよく運動したいものですね!
お悩みの方、症状個別の解消運動プログラムについて、http://www.jhei.net/をご参考下さい。
2009年01月 掲載
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