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18. 太っている人と痩せている人の驚くべき運動以外の消費エネルギーの違い
長阪裕子(医療法人社団DM会 成田センタークリニック 健康運動指導士)
 新型インフルエンザ感染の広がりも収まったとの見方が次々と示され、ひとまず安心して外出できるわ!と思いきや、今度は梅雨の季節。雨でいつものウォーキングができずに運動不足続きという方も少なくないでしょう。  

 今回はこの運動以外の日常行動について考えてみたいと思います。皆さんは1日に座っている時間と立っている時間、どちらが多いですか?
私たちの1日の消費エネルギー
 皆さんは1日に消費するエネルギーについて考えたことはありますか?ある研究者の発表によると、私たちが1日に消費するエネルギーは主に以下の4つに分けられます。
  • 基礎代謝量
     体温を維持したり、心臓を動かしたりするのに使われる、生きていくのに最低限必要なエネルギー。
  • DIT(Diet Induced Thermogenesis:食事誘発性体熱産生)
     食事をした時に、体内で消化や吸収をするのに消費されるエネルギー。
  • 運動
     歩行や各種トレーニング、スポーツ活動など計画的に実施する活動でエネルギーが消費されます。
  • NEAT(Non Exercise Activity Thermogenesis:ニート)
     掃除やちょっとした移動、立位姿勢など運動とは異なる日常生活活動で消費されるエネルギー。
 この中で、痩せている人と太っている人に差がでるのが「運動」と「NEAT」です。「運動」についてはご理解いただけると思いますが、驚くのは「NEAT」の差です。

 実は、痩せている人は太っている人よりNEATが1日に約350kcalも多かったという最近の報告があるのです。たった350kcalと思いきや、ちりも積もれば山となって1ヵ月で1万500kcal、1年で12万7,750kcalにもなります。脂肪1kg燃焼させるのに7000kcalとすると、1年で約18kgの脂肪燃焼量の差になります。

 この1日約350kcalの差は何かというと、主にそれぞれの姿勢の時間です(図1)。太っている人は座っている時間が長く、立っている時間が少ないようです。

 別の研究でも、日にテレビを見る時間の長い人たちは糖尿病や肥満になりやすいという報告があります。私の患者さん達でも、食後すぐ片付ける人は痩せている人が多く、食後ゆっくりテレビを見たり、横になる人は太っている人が多いように思います。
12. 糖尿病に効く運動―食後運動のすすめ―

 横になっているより座っている方が、座っているより立っている方が、立っているより歩いた方が使われる筋肉量が増え、NEATが多くなるのです。

 日常生活でのちょっとした行動の差がNEATの差となって、ゆくゆくは肥満や糖尿病に関係してきます。こまめに動くことの大切さをご理解いただけましたでしょうか?

 ぜひ、今日からNEATを増やしましょう!ただし、NEET(Not in Employment,Education or Training:就業、就学、職業訓練のいずれもしていない人)とは違いますのでご注意を。


「健康づくりのための運動指針2006」(運動所要量・運動指針の策定検討会)より一部改変
運動施策の推進(厚生労働省)
2009年06月 掲載