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25.冬の運動は、こんな注意を
福田千晶 (医学博士、健康科学アドバイザー)


 1月12日はスキー記念日。ウインタースポーツの季節到来、白銀の世界にワクワクしている頃でしょうか。また、日頃から続けているマラソン、ジョギングなどを継続している人も多いでしょう。部屋に閉じこもりがちな冬も定期的に体を動かすことは健康に良いことは言うまでもありません。お正月と新年会で摂りすぎたエネルギーを消費し、筋力が衰えないように維持する必要があります。

 新春につきものの餅1個のエネルギーを消費するには、体重60Kgの男性で散歩40分、速歩き20分、ジョギング16分。日本酒約1/2合もほぼ同じエネルギーです。もし餅3個と日本酒1合を飲食すれば、その5倍、散歩200分(3時間20分)、もしくはジョギング80分(1時間20分)を行わないと消費できません。消費できない分は、脂肪となり体内にたまるので侮れません。

 その一方で、冷たい外気の中での運動には危険もあります。急に寒い場所に出ると、腕や脚などの血管が収縮します。血管を流れる血液から、多くの熱が放散されることを防ぐためです。血管が収縮すると、狭い内腔を血液が強引に流れるため血管を広げようと圧力がかかり、血圧は上昇します。その結果として脳の血管が切れれば脳出血です。生命に関ることもあり、または半身麻痺や言語障害などの後遺症が起こりえます。

 腕や脚の血管が収縮するため、過剰の血液が心臓に戻されます。心臓は筋肉の袋です。多くの血液が心臓に戻されれば、心臓の筋肉は大きく広げられて、次の瞬間は大きな力でその血液を全身に送り出します。寒い場所では、心臓はいつも以上に働くことになります。それが、心臓の負担になり狭心症など心臓疾患の原因にもなります。つまり、寒い場所での運動は心臓や血管への影響が心配されます。

 また、寒いとひざや肩などの関節も筋肉も、硬くなります。いきなり運動すると、捻挫や肉離れを起こしかねません。その上、暑い靴下を履き、靴がきついため動きを妨げ怪我の原因にもなります。さらに、空気が乾燥しているのに、夏ほどはノドの渇きを感じません。そこで、脱水症の危険もあります。寒いと肌の表面も収縮や乾燥しているので、ちょっとした切り傷でも皮膚が余計に裂けて大きな傷になりがちです。

冬の運動では、
  • 急に寒い屋外に出ない。玄関で身支度やウオーミングアップなどを行う。
  • ウエアを工夫する。体温が逃げやすい、頭部、首、二の腕の後ろ、ヒザの後ろなどは保温をする。ニットの帽子、ハイネックのシャツ、下着は二の腕も覆う袖の長いもの、ハイソックスやヒザのサポーター、など。
  • ウオーミングアップは念入りに。ストレッチなどで丁寧に筋肉や関節を軟らかくしておく。
  • 靴下が厚くなるが靴はサイズが合うものを。
  • きちんと食事して体温をアップ。特に朝食を抜かない。
  • 水分摂取も心掛ける。
  • 肌をさすって温め肌の収縮を防ぎ、日頃からのスキンケアで皮膚の乾燥をふせぐ。

     これらを意識して、冬でも安全に運動し、ウインタースポーツも楽しみたいですね。
    2010年01月 掲載