菅野　隆（セルフメディケーション推進協議会理事）

　今年の夏は猛暑日が続いていて、毎日のように熱中症のニュースが流れ、とても「やってみよう健康運動」どころではないかもしれませんね。今日（7/31）は、長野県飯田市では38．0度を観測し、全国927観測点のうち、35度以上の猛暑日は今季最多の170地点（18.3%）に上り、30度以上の真夏日は759地点（81.9%）だったそうで、まさに、「夏、真っ盛り！」。関東ではかれこれ、もう10日も連続でうだるような暑い日が続いています。

　また、世界は今、「ロンドン五輪」真只中ですから、さらにヒートアップ。世界各国、国内で頂点を極めた超エリートアスリート達が日々熱い戦いを繰り広げ、世界中の多くの人が（かくいう私も）テレビの前に釘づけとなり、結果に感動や歓喜、悔しさや落胆など、一喜一憂し、しかも日本時間では深夜の生中継が多いですから、睡眠時間や身体活動も不足しがちとなり、ますます「健康運動」どころではないという方も多いかも知れません。

　スポーツは、身体パフォーマンスを極限まで追求して記録やゲームの勝ち負けを競う、いわば、「伝統文化」。その象徴でもある五輪は、4年に1度の世界最大の祭典イベント。国際親善も含め、やる人も観る人も、国の垣根を取り払い、感動で心をひとつにするパワーがありますし、何より、夢があり、わくわくできる素晴らしいエンターテイメントです。

　しかし、日常の健康運動とスポーツという文化は「別物」です。結構そのあたりの境界が曖昧であることが、健康運動の生活習慣化、定着を妨げているのではないでしょうか。

　運動≒スポーツとなると、運動能力、競技能力の高い人が優越で、そうでなはい大多数の人はマイナーというくくりになりがちで、そうなると、非常に多くの人が初期の学校体育やスポーツの場で運動に対してネガティブなイメージが刷り込まれてしまい、苦手意識や劣等感、拒絶反応が形成されてしまうことにもなりましょう。

　毎日の健康運動は、最大出力の身体パフォーマンスを追求するものではないし、他との勝ち負けを競うものでもないし、個人の運動能力の高さや素質の有無などには全く関係ありません。要は、日々自然と調和した快適で健康な心身を養うべく、自分に合ったほど良い身体活動を、決して無理をせずに歯磨きの様に毎日の生活習慣、生活の一部にして、地味にこつこつと無意識レベルで継続実践することが理想です。

　ですので、猛暑日でも、五輪観戦で睡眠不足の日でも、しないと何か調子が悪いといった感じで、決して無理はしないで、十分に水分と休養もとり、活力チャージのような感じで実践していただけるようになると良いと思います。 （バックナンバー『50. お勧めの「お家中運動」、ホームサーキットトレーニング！』をご参照ください。）

　前置きが長くなりましたが、ここからが今回のテーマです。「健康運動とスポーツは別物」とは言いながら、その道を極めた達人アスリートのパフォーマンスやトレーニング等のスキルやコツ、ノウハウには、応用してシンプルに変換して活用すれば、健康運動のみにとどまらず全てに通じる、卓越した素晴らしい効果を発揮させ、「違い」をつくる原理原則の宝の山があるといえます。

　私もしばしばその方法で健康運動プログラムづくりや指導を行っているのですが、それらのエッセンスを日常の健康運動にもシンプルに変換して上手に取り入れることで、その質や効果を飛躍的に高めることができ、アスリートとは程遠い一般の方々にも大変素晴らしい効果を発揮し、喜ばれています。

　そこで今回、私も含めた4人の運動指導者が協力して、身体活動の基本中の基本であり、通常であれば誰もが毎日何千回（歩）も行っている、「歩き」の質を高めるべく、トップアスリートのトレーニングスキル、コツ、プラクティスなどを組み合わせ、シンプル化して、繰り返しフィードバックすることでウォーキングの質を向上させるウォーキングプログラム、「コンビ（ネーション）・ウォーク」を制作し、そのテキストを完成させました。全カラー光沢コート紙、12Pですが、サンプル4Pを下に貼付致しました。

　「コンビ・ウォーク」のポイントは、以下の3つです。
（1）　全身を使って歩く歩き方の獲得
（2）　良い歩行姿勢を身につける
（3）　肩甲骨、体幹、骨盤を効果的に使って歩く歩き方の獲得

　その結果、より美しく、ダイナミックに歩けるようになり、血液循環や代謝も促進され、体温も高まります。 　関心のある方、お問い合わせは、（株）健康創研まで！http://kenko-soken.sub.jp/

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