セルフメディケーションを実践のための200テーマ

村田正弘(セルフメディケーション推進協議会専務理事)

12. うがい薬

 秋もたけなわのよい季節ですが、これからは朝晩の冷え込みも段々厳しくなってきます。かぜや呼吸器の病気にかからないように注意が必要です。のどは、呼吸する空気の通路にあたりますので、ウイルスや細菌の進入口になります。外出から帰った後には、うがいをして洗浄すると予防に役立ちます。また、かぜをひいている時やのどに炎症があるときもさらに感染しないようにこまめにうがいすることをおすすめします。
 うがいは水やぬるま湯でもよいのですが、市販されているうがい薬を使うと一層効果的です。状態に適した方法を選んでセルフメディケーションの実践をしてください。

うがい薬の種類

] うがいの目的が口中からのどの洗浄と消毒ですから、成分として殺菌消毒成分が含まれています。代表的なのはポビドンヨードで、濃い茶色の液体で水に希釈して使用します。ヨード特有のにおいと色を嫌う方がいますが、殺菌消毒効果は定評があります。他に塩化ベンゼトニウムやクロルヘキシジンなどの殺菌消毒成分を使用しているものもあります。アズレンスルホン酸ナトリウムを成分とするものは、殺菌消毒効果は強くありませんが、もとは天然系の色素でかすかな甘味もあり、のどの洗浄には適しているでしょう。
 ほかに記載されている成分ははっかやレモンの精油など芳香をつけるのが目的で、効果にはあまり関係しません。

うがい薬の選び方と注意すること

 歯の炎症やのどの殺菌消毒の場合はポピドンヨードが適します。多くは希釈して使うよう指示が書かれていますからそれにしたがってください。あまりうすいと殺菌効果が期待できません。薄目の液で何回もうがいするより、やや濃い目の液で2,3回−1回は30秒以上かけて―うがいし、気になる方は後で水ですすがれたらよいでしょう。口中やのどを洗浄したり、うるおいをもたしさわやかにするならば、アズレンや芳香のあるうがい薬でこまめにうがいするのがよいでしょう。

< うがい薬一覧 >
注: ― (該当するものがない)

殺菌消毒成分生薬成分その他の成分製品名販売会社
ポビドンヨードl-メントールイソジンうがい薬明治製菓
ポビドンヨードl-メントールイソジンうがい薬EG明治製菓
ポビドンヨードl-メントールケンエーうがい薬健栄製薬
ポビドンヨードl-メントールサリキスU浅田飴
ポビドンヨードl-メントールジキニンうがい薬全薬工業
ポビドンヨードl-メントールポピドンうがい薬玉川衛材
アズレンスルフォン酸Nal-メントールアズレアイうがい薬金冠堂
アズレンスルフォン酸Naウイキョウ油・レモン油他l-メントールパプロンうがい薬AZ大正製薬
水溶性アズレl-メントール炭酸水素Naうがい薬グルベル日東薬品工業
グルコン酸クロルヘキシジンl-メントールパプロンうがい薬大正製薬
チモールミルラチンキ他l-メントール他ラリンゴール佐藤製薬

2006年10月 掲載
■テーマ
1. 薬に関する仕組み
2. 薬の作用効果と副作用
3. 薬の作用 投与経路と薬の生体内運命
4. 薬の作用 用量と効果、用量と毒性の関係
5. 一般用医薬品の選び方、使い方(1) 花粉症のくすり
6. 一般用医薬品の選び方、使い方(2) 乗物酔い防止薬
7. 一般用医薬品の選び方、使い方(3) 整腸薬
8. 一般用医薬品の選び方、使い方(4) 水虫の薬
9. 一般用医薬品の選び方、使い方(5) 虫さされ・虫よけの薬
10. ビタミン含有保健薬
11. 外用殺菌消毒薬
12. うがい薬
13. 解熱鎮痛薬
14. 小児用かぜ薬
15. 整腸薬と便秘薬
16. 胃の薬
17. 痔の薬
18. にきびの薬
19. 更年期障害の薬
20. 目薬(1) 目が赤くなったり、かゆい時
21. 目薬(2) 洗眼とドライアイ
22. 目薬(3) 一般点眼薬
23. うおのめ、いぼ、たこの薬
24. 口腔内殺菌薬
25. 口内炎の薬
26. 歯痛や歯槽膿漏の薬
27. 乾燥性皮膚用薬
28. 発毛・養毛薬
29. 高コレステロール薬
30. 催眠・催眠鎮静薬
31. 眠気防止薬