村田正弘(セルフメディケーション推進協議会 常任理事)
20. 目薬(1) 目が赤くなったり、かゆい時
![]() 目が疲れる、目が赤い、目がかゆいといった症状はよく経験されると思います。一方、薬局やドラッグストアの棚にはたくさんの目薬が並んでいて、どれが適切なのか迷うのではないでしょうか。目薬の基本的な分類と成分ごとの効果を理解してください。そして、正しい使い方をしてください。 2、3日使用しても効果が感じられない時や使ってかゆみや痛みなど副作用ではと思ったら、薬剤師に相談し眼科医に診てもらいましょう。 目薬の種類
目薬には炎症をなおそうとするもの、洗眼や乾いた目をうるおそうとするものに分けられます。炎症は目が赤い−充血している、かゆみや違和感があるといった症状です。かゆいのや赤いのは花粉やハウスダスト(ダニ)などの抗原によるアレルギー性の反応が関係しています。両眼ともに生じ、鼻炎なども同時に起こるので思い当たるはずです。まぶたがただれたり、涙がとまらない場合は細菌感染と考えられます。アレルギー性と細菌感染にはそれぞれ目的にあった治療用の目薬を選ばなければなりません。 選択する目薬と有効成分
アレルギーを抑えるのは「アレルギー用点眼薬」で、すべてクロモグリク酸ナトリウムとマレイン酸クロルフェニラミンという成分の組合せで濃度も比率も同じです。前者は、花粉症などのアレルギー発生の道筋をブロックする作用があり、かって医療用で脚光を浴びました。後者は抗ヒスタミン薬の定番ともいうべき成分です。細菌感染用は「抗菌性点眼薬」と呼ばれ、主役はスルファメトキサゾールというサルファ剤です。スルファメトキサゾールはサルファ剤として抗菌作用を有しますが、OTC薬には医療用で使用されているような抗生物質を含む製剤がありません。私たちは、アミノグリコシドなど点眼用で実績のある成分のスイッチ化を早く行うよう呼びかけています。 片方の目が赤い、でもアレルギー性や感染性のものではないといった場合は「一般点眼薬」があります。しかし、たくさんの製剤があり、成分の種類も多いのです。充血をとる目的の成分も、かゆみもとる成分もあり、一見何にでもきくように作られています。洗眼用や渇き目のための目薬の代替としては不適です。 目薬を選ぶ注意と使用の際の注意
原因がわかった場合は目的にあった目薬を選んでください。症状について薬剤師に相談すれば「一般点眼薬」の中でも、適する成分が配合されているものを選んでくれるでしょう。さて、アレルギー性と感染性の目薬は指示されている使用方法を守ってください。多く入れれば効くなどということは絶対にありません。確実に一滴、目の中に入れてください。目の中に入れるのは薬液であって容器ではありません。先端を目につければ、感染を広げる原因となります。当然のことですが、目薬は個人専用で家族共通にしてはいけません。 夏場でも涼しい直射日光があたらない所に置けばよいです。ただし、開封後は2週間が限度です。前に使った古い目薬は使用してはいけません。 洗眼や渇き目については次回解説します。
2007年06月 掲載
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