セルフメディケーションを実践のための200テーマ

村田正弘(セルフメディケーション推進協議会専務理事)

28. 発毛・養毛薬
 髪の毛についての悩みを持っている方はたくさんいます。健康食品や、化粧品にも高価なものが宣伝されています。自然の髪と同じような、かつらや植毛も盛んです。

 抜け毛や髪が薄いというのは遺伝的な素因が大きいといわれます。また、髪の毛はたんぱく質が主体ですから栄養バランスも関係します。頭皮部分の毛細血管の血行は神経系の支配によるので、ストレスによって影響を受けるといわれています。

 ここでは、医薬品として販売されている発毛・養毛薬について述べます。この分類にはステロイドホルモンを含むものがあります。体毛の極度に少ない方や円形脱毛症を適用としていますが、このような場合は医師のアドバイスによって使用するのが適切と考えるので除きました。
発毛効果のある成分
 発毛・養毛に関わる成分ではっきりと発毛作用が確認されているのはミノキシジルです。元は血管拡張作用に注目されて高血圧の治療を目指していたのですが、臨床試験で多毛が認められました。

 多毛は副作用なのですが、ここに注目して発毛薬として開発することになったのです。新成分ですから、はじめは医療用医薬品として承認販売されると考えられたのですが、使用目的から一般用医薬品として開発して行こうという意向が強くみられ、日本で初めてのダイレクトOTC薬として発売されました。ダイレクトOTC薬とは医療用を経ないで直接OTC薬として店頭で販売されるという意味です。承認には臨床試験成績が必要ですから、効果と安全性は確認されています。だからといって、使えば誰でも毛が生えて、また副作用は絶対ないというわけではありません。

 塩化カルプロニウムは同じように頭部の毛細血管を拡張して、血行を促すことは認められています。この成分を含む製品はかなり長期間使用されてきているので毛が薄くなるのを止めているのでしょう。生薬成分の中にも伝統的に髪の毛を濃くするといわれてきたものがあります。これは医薬品成分として用いられるものもありますが、同じような成分が医薬部外品や化粧品に使用されている場合がもあります。

 パンテノールなどビタミン類も効果があるとされて配合されています。ハッカ成分のメントールなど芳香成分は薬効というより気分的なものとして使われているのでしょう。また、多くの製品にはエタノールやエチルエーテルが含まれていますが、これも清涼感と、また頭皮に刺激を与えることにより、発毛促進につながるのでしょう。
発毛・養毛薬の使い方と注意
 この種の効果はかなり使う人の主観に左右されます。医薬品として許可されているといっても全ての人に均等に効くとはいえません。洗髪や頭部のマッサージ等も併用して、薬もひとつの選択技として使ってみるのがよいでしょう。

 逆に、効果がないからといって使いすぎには気をつけてください。すでに紹介したようにミノキシジルは副作用を利用した「薬」で、血管拡張という薬効があります。概念的には血圧を下げる作用ですが、循環器系の疾患で「医療用医薬品」を使っている方は医師に相談してから使ってください。また、外国でも同じ成分を含む製品が発売されていますが、含量に気をつけてください。日本では安全な範囲の含量と使い方によってダイレクトOTCとして販売されていますが、含量に気をつけてください。日本ではこれがダイレクトOTCとして販売されています。使用に際しては用法、用量をしっかり守ってください。

発毛・養毛薬
発毛促進成分生薬成分ビタミン類その他の成分製品名販売会社
ミノキシジルリアップ大正製薬
ミノキシジルリアップレディ大正製薬
ミノキシジルビタミンE、P.E.Eメントールリアッププラス大正製薬
塩化カルプロニウムカシュウチンキ、チクセツニンジンチンキP.E.E.メントール、ヒノキチオールNFカロヤンアポジカΣ第一三共ヘルスケア
塩化カルプロニウムカシュウチンキ、チクセツニンジンチンキP.E.E.メントール、ヒノキチオールNFカロヤンガッシュ第一三共ヘルスケア
塩化カルプロニウムP.E.E.メントール、ジフェンヒドラミン  サリチル酸 カロヤン21第一三共ヘルスケア
塩化カルプロニウムビタミンE、P.E.Eメントール、ジフェンヒドラミン  サリチル酸 カロヤンS第一三共ヘルスケア
塩化カルプロニウムカシュウチンキ、チクセツニンジンチンキP.E.E.メントール、ヒノキチオールカロヤンガッシュ第一三共ヘルスケア
塩化カルプロニウムパンテノール、ビタミンB6、Eメントール、ジフェンヒドラミン  サリチル酸、ヒノキチオール ヘアニングホーユー
塩化カルプロニウムパンテノール、ビタミンB6、Eメントール、ジフェンヒドラミン  サリチル酸、ヒノキチオール NFヘアニングホーユー
P.E.E.:パントテニールエチルエーテル
2008年02月 掲載
■テーマ
1. 薬に関する仕組み
2. 薬の作用効果と副作用
3. 薬の作用 投与経路と薬の生体内運命
4. 薬の作用 用量と効果、用量と毒性の関係
5. 一般用医薬品の選び方、使い方(1) 花粉症のくすり
6. 一般用医薬品の選び方、使い方(2) 乗物酔い防止薬
7. 一般用医薬品の選び方、使い方(3) 整腸薬
8. 一般用医薬品の選び方、使い方(4) 水虫の薬
9. 一般用医薬品の選び方、使い方(5) 虫さされ・虫よけの薬
10. ビタミン含有保健薬
11. 外用殺菌消毒薬
12. うがい薬
13. 解熱鎮痛薬
14. 小児用かぜ薬
15. 整腸薬と便秘薬
16. 胃の薬
17. 痔の薬
18. にきびの薬
19. 更年期障害の薬
20. 目薬(1) 目が赤くなったり、かゆい時
21. 目薬(2) 洗眼とドライアイ
22. 目薬(3) 一般点眼薬
23. うおのめ、いぼ、たこの薬
24. 口腔内殺菌薬
25. 口内炎の薬
26. 歯痛や歯槽膿漏の薬
27. 乾燥性皮膚用薬
28. 発毛・養毛薬
29. 高コレステロール薬
30. 催眠・催眠鎮静薬
31. 眠気防止薬