従来から果汁を搾った後のレモン果皮にはポリフェノール成分が豊富に含まれるいるが、これまで食品素材に利用されていなかった。科学技術振興機構(JST)は、レモン果皮からポリフェノールをとりだす技術の開発に成功、血管内皮機能を改善する効果を確かめたと発表した。新たな機能性食品素材として1〜2年後の商品化を目指す。
科学技術振興機構(JST)は、レモン果皮から得たポリフェノールを食品素材として利用する技術を開発したと発表した。この事業は、愛知学院大学心身科学部の大澤俊彦教授らの研究成果をもとに、ポッカコーポレーションに委託して開発を進めていたもの。
果汁を搾った後のレモン果皮には、抗酸化作用をもつポリフェノール成分が多く含まれる。しかし、ポリフェノールは安定的な醗酵処理を行うのが難しいので、これまで食品素材として利用されていない。
研究では、レモン果皮中に糖と結合した配糖体として含まれるポリフェノールを、酵素処理によって糖部分を分離し、さらに麹(こうじ)菌の1種を用いて醗酵処理を行い、より高い抗酸化作用をもつ新規ポリフェノールを製造するのに成功した。
このポリフェノール素材の安全性や有効性を確かめるために動物実験を行ったところ、血圧の低下作用が認められたという。一酸化窒素の合成酵素の発現を促し、動脈を拡張させ血流を高める作用もみられた。
ヒト臨床試験を行ったところ、血管内皮機能の改善作用があることがあきらかになった。血管内皮細胞に作用し血管を拡張、血流や血液の凝集などをの調節を改善するという。
血管内皮機能の改善は、メタボリックシンドロームや生活習慣病と関わりの深い血管疾患の予防につながると注目されている。
JSTでは「新たに開発された新規ポリフェノール素材は、レモンの果皮部を利用した天然由来のもので、抗酸化作用の高い、健康の維持・増進に役立つ新たな機能性食品の素材となる」と述べている。
酵素処理によりアグリコン化(糖部分を分離)させたレモン果皮抽出物をもとにして、麹菌を用い新規ポリフェノールを製造するのに成功
麹菌を利用したレモン果皮由来の新たな機能性ポリフェノールの製造技術の開発に成功(JST委託開発の成果)(科学技術振興機構)