認定NPO法人 セルフメディケーション・ネット
日本OTC医薬品協会へ

バックナンバー    
村田正弘(セルフメディケーション推進協議会 専務理事)
2. セルフメディケーションすると得しますよ! [効用]
 世の中、せち辛くなって自分に利益がないことはしたくないという風潮があります。一方で、困っている方の役に立てばと奉仕やボランティア活動に精出す方もいます。では、セルフメディケーションはどのような活動でしょうか。自分のための自らの行動ですから、ボランティアとは違います。こんなことまじめにやっても、あまり得にはならないと思い込んでいる方が意外に多いのです。自分は丈夫だからいいんだとか、病気や怪我をしたら医者に行けばいいとか、国民皆保険制度はそのためにあるのだろう―といった主張をされます。

 しかし、このような考えはあまりにのんき過ぎるというより、危険です。かけがえのない「自分のいのち」―健康を粗末にしていませんか。かけがえのない命といいました。一部の不幸な方以外、人は生を得て健やかに育ちます。しかし、この生命を脅かす様々な危険が待ち受けています。急性疾患や交通事故など予防では完全回避が難しい疾患や外傷への対応は医療機関が主に担当するのは当然ですが、静かに忍び寄る危険に対しては万全ではありません。前者は治療が優先しますが、後者は治療よりも予防、進行阻止に重点が置かれるからです。

 このような状態を「未病」と呼んでいます。「未病」とは自覚症状はなくても検査では異常がある状態や、反対に検査では異常が示されていないのに自覚症状があるといった「病気に向かっている要注意状態」をいいます。セルフメディケーションすることはこのような未病を早く発見し、早めの対応をすることですから、本人にまず「健康の維持の継続」というプレゼントが贈られます。糖尿病、高血圧、高脂血症など生活習慣病と呼ばれる疾患はいずれも「未病」を経過して「病気」になります。「未病」時代にその有力原因である食生活や生活リズムの改善によって未病のまま、あるいは健康にカムバックできるのです。不幸にして「病気」になってしまった方もセルフメディケーションの実践を取り入れることによって病気の進行を止め、社会生活の継続が可能になります。このことは働き盛りの中年層の方にはもとより、若い未青年の方にも高齢者の方にも、そして現在医療施行中の大半の方に適用することができます。

 病気になっても保険があるからという主張がありました。確かに日本は世界に誇ってよい国民皆保険制度を実施しています。医療費は税金と保険料で構成されていますが、医療費の高騰により、保険料が上昇しています。支払った金額を取り返したい気持もわかりますが、無駄な使いみち、不適切、非効率経費が更に医療費を上げる悪循環を絶たないと、制度自体の存続が危ぶまれます。事実、国や地方自治体の経費負担(税金)は限界になっています。それは政府の責任といっても、支払うのは国民ひとりひとりです。医療費全体を効率的に使うためにも、自分の健康は自分が責任もつ、そしてそれを支援する仕組みをつくることがあなたにとって得になることがご理解して頂けたでしょうか。
2004年12月 掲載