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村田正弘(セルフメディケーション推進協議会 専務理事)
4. セルフメディケーションで治す未病 [実践(1)]
 前に病気に向かっている要注意状態を未病というと紹介しました。この状態を把握し、適確な対応をとれば病人にならなくてすみます。どのようにしたら身体の異常を正確に知ることができるのでしょうか、やはりお医者さまに診てもらわなければ駄目でしょうか。みなさんも医師にかかるといろいろ質問された経験をおもちでしょう。これは、医師が患者さんの身体状態の変化(症状)を聞いているのです。また、血液や尿などの検査をするとか、X線の写真をとったりします。これは身体内の変化を物理的、化学的手技によって客観的に観察しているのです。病気の状態を知る上で重要な2本柱といえます。

 しかし、これは医療機関に行かなければできないのでしょうか。少なくとも、身体状態は自分のことですから、自問自答ができます。小さいお子さんやお年寄りの方には家族の方が、お友達同士ならお互いにきいてあげてチェックすることができます。確かに症状といってもたくさんありますが、最近出た本「セルフメディケーションで治す未病145*には、一般の方が知っている症状たとえば頭痛、目のかすみ、すりきず、便秘といった未病に属す症状145をあげ解説しています。この中から「胃が重い」という症状を例にとってみると、胃という消化器官が胃壁を動かして食べものを粉々にして小腸に送りだす働きをするという説明があり、胃の運動機能が低下していると食べものが長時間胃の内部に留まって「胃が重く感じる」と続いています。また、過剰な食物量―食べ過ぎや消化に時間がかかる脂ものを食べると「胃が重く感じます」。つまり、症状は胃の運動機能低下か食事の内容によって生じていることがわかります。さあ、生活改善によって症状を緩和し、病気に進行することを止めましょう。食べ過ぎを避け、軽いやや少なめな食事にしましょう。よく噛んで、胃への負担を軽くします。3時間以上胃に停滞する食事―揚げ物やステーキ、アイスクリームなどは控えるようにしましょう。でも、ついパーティなどで美味しいものを食べ過ぎちゃった! といったときは「胃腸薬」をのめば症状の緩和に効きます。大衆薬(OTC)の説明書には効能に「胃重・胃もたれ・胸つかえ」などと表示されています。この本に書いてあることは、一般の方も理解できると思いますが、食べものの消化時間や栄養分の比率、胃腸薬の種類と効能の関係などは栄養士や薬剤師に相談すれば、個々の症状にあわせた説明や含まれている成分を参考に製品を選ぶアドバイスをしてくれます。

 セルフメディケーションで重要なことは生活改善や一過性の症状改善を行っても、症状が繰返されたり、徐々に悪くなっていくときの対応です。漫然と放置しないで専門の領域の医師、医療機関での受診が必要です。この場合もひとりで判断するより、身近に相談する場所や相談相手がいるといいですね。薬局やドラッグストアに勤務する薬剤師は商品の販売に力を尽くすだけでは困ります。セルフメディケーションで未病を治そうとする生活者を支援するため、症状のチェック法と適確な商品知識を学んで、わかりやすく説明できるよう精進してください。

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「セルフメディケーションで治す未病145」
監修:セルフメディケーション推進協議会 編著:和田高士
B6変・168ページ 2004年発行 じほう 定価1,680円
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2005年02月 掲載