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村田正弘(セルフメディケーション推進協議会 専務理事)
8. 食と栄養バランス−身体の構成と活動エネルギ−
 生活者がセルフケアを実践するには生活改善が第一歩といいました。そして、真っ先に食−栄養のバランスをあげました。多くの方がこのことはご存知だと思います。新聞、雑誌、テレビのマスメディアも毎日のように取り上げています。食に関する専門誌や広告も一杯です。居酒屋からグルメレストランまで、多彩なメニューが並び、デパ地下には和、洋、中どころか世界のお惣菜がひしめいています。コンビニにいってもデザートに限っても半端な種類ではありません。

 では、この国の食と栄養は豊かで国民はみな健康かというと、そうではないようです。家庭で食事をつくり家族で一緒にという食習慣が変化しています。外食の比率が増え、レトルト食品など加工食品が多くなりました。自然食材やサプリメントにはそれなりの効用がありますが、タレントの説明や体験手記で売上げが決まるのは変ですね。厚生労働省の国民栄養調査の結果は、中年齢層の男性高年齢層の女性で肥満傾向、20代、30代の若い女性で低体重の割合が増加しています。セルフケアは個々の問題ですから、バランスを欠く食事をしている方が気がついて頂かないといけないのです。厚生労働省、農林水産省、文部科学省が連携して新しい「食生活の指針」を策定し、推進運動を開始しています。でも、生きている最大の楽しみの食まで官の指導とは少し情けない気がしませんか。

 人を含め動物は身体の構成成分と活動エネルギーを他の生物資源である植物と動物から得ています。これを栄養学的にみると、炭水化物(糖質)たん白質脂質ビタミンミネラルの五大栄養素ととなります。この中でエネルギー源となるのは最初の3つで、特に糖質は一番効率のよい燃料です。米、麦、イモ類が相当し、世界中でその土地、気候に適した種類を栽培し、主食としてきました。人は基礎エネルギーとして約1000キロカロリー、後は年齢や運動量によってことなりますが、総計で約2000キロカロリー位必要です。もし必要以上の糖質が体内で生じると、これを脂肪に転換して体内に蓄積し、不足した場合これをエネルギー源として活用します。飢餓に備えて生き残ってきた太古からの生物の知恵なのです。夜おそくとった過剰の糖質は寝ている間に転換されて・・・、油類はとってないのに肥る! こんなところに謎があります。

 たん白質が分解するとペプチドアミノ酸になります、アミノ酸はすべてのうまみの素です。また、化学的には糖質や脂質にない窒素Nが含まれ、これを摂取しないと身体がつくれません。サプリメントとしての働きもありますが、エネルギー源としてこれだけでは足りません。脂質は1グラム当たり9キロカロリーという高カロリーが得られます。

 エネルギーとしては0ですが、ビタミンやミネラル類は身体の構成やエネルギー代謝などいわば活力を出すときに欠かせない潤滑油のような役割といってよいでしょう。これらに先のアミノ酸等、身体活性化する物質類をサプリメントと称しています。天然の食べ物はこれらを含んでいて、そして未知なものが含まれています。目的の物質を抽出、濃縮し、あるいは合成した物質を摂取すればその不足を補えるという主張です。大抵それ以外の成分についてはわからない、あるいは記されていません。サプリメントに関しては、6月のSMAC特別セミナーが開催されるので注目してください。

 最後に水について一言。人の体の成分の2/3は水で、クラゲとさほど違いません。細胞、血液、組織液などの成分として、生きるためには最も重要な栄養素といってよいでしょう。成人は約2000ミリリットル必要とされます。  基本知識を知った上で、毎日の食生活を工夫してみませんか。まずは、1週間の食事をチェックしてみてください。わからない点は栄養士や薬剤師に相談してみましょう。
2005年06月 掲載