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村田正弘(セルフメディケーション推進協議会 専務理事)
9. サプリメントの位置付けと効用
 前回は食と栄養についての基本を説明し、食物による栄養バランスが大切なことがわかって頂けたと思います。その中でビタミン、ミネラルを含めそのもの自体はエネルギー源にはならないが、栄養素の代謝を促進し、身体を活性化する物質があるといいました。これらはサプリメントと称されて、脚光を浴びています。今回は先日開催されたSMAC特別セミナーでの話題を含めサプリメントに焦点をあててみます。
サプリメントは効くのか、使っていいのか
 一般の生活者が戸惑うのは、こんなにたくさんのサプリメントがあって、本当に効くのかしら、どれが一番よいのかという疑問ではないでしょうか。また、本当に副作用はないのかという不安もあると思います。雑誌、テレビ、チラシ他あらゆる広告に登場する商品をみていると、なにもかものんでいたら、それだけでお腹が一杯になりそうだし、費用も大変ですね。

 サプリメントはDietary supplementからきているので、正確には食事を補う「補助食品」という意味です。「サプリメント先進国」のアメリカでは、ハーブ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の栄養成分を1種類以上含む栄養補助のための製品と法律で定義されています。形状も通常の食べ物の形以外とされています。

 日本ではこのような明確な定義はなく、法律上は医薬品以外は口から入る物は食品です。この中で健康食品について制度の検討が行われ、保健機能食品として特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品を制定しました。サプリメントの定義に近いのは栄養機能食品にあたりますが、現在12種類のビタミンと5種類のミネラルが認められています。保健機能食品以外はいわゆる健康食品を含めて、一般食品なのです。

 ややこしい法律的分類はともかく、サプリメントは効くのか、使っていいのかということが生活者の最大の関心事だと思います。大きく2つに分類されます。日常的に摂るべきものと状況に応じて摂るべきものです。前者は本来食事で摂っているもので、不足をサプリメントで補っても問題はありません。ビタミン、ミネラル、糖類、脂肪、アミノ酸といった栄養素はすべて該当します。さらに、ポリフェノール、乳酸菌、食物繊維なども実はふだん食物から摂っているのです。

 不足を補うのはいいといいましたが、成分の中には摂りすぎては危険なものがありますから注意してください。ですから、栄養機能食品は上限と下限を定めています。身体に必要な量と補う量をどうバランスをとるかを判断するのは広告の文面だけでは無理でしょう。信頼できるセルフメディケーションのサポーターに相談してください。医師、薬剤師、栄養士の他、サプリメントアドバイザーやNR(栄養情報担当者)という資格をもつ方がいます。

 日常の食品ではとっていない分類に属するものとしてハーブ由来のものがあります。中国の他世界各地で長年にわたって使用されてきた薬草の成分が主です。なかには、ジギタリスやエフェドリンなど医薬品として認められたものも少なくありません。

 有効な成分や未知な使用法がある可能性は否定しません。しかし、医薬品以外は有効性をうたって品物を販売することは認められていません。同時に医薬品のように安全性が保証されていないことも留意してください。なかには、本来の植物には含まれていない「有効成分」を添加した違法製品が輸入されています。また、効く成分があれば他の医薬品とのみあわせによって不都合なことが生じることがあります。

 SMACはセルフメディケーションを広義にとらえ、日常の生活習慣を改善し、疾病の予防、健康維持をはかろうとしています。有効手段として、海外でのサプリメントの効用に注目しています。そのためには、製品に関する正確な情報、販売責任の確立が前提と考えています。生活者の方も、キャッチフレーズに惑わされず、自身の身体状況を把握し、信頼できるアドバイザーを介して利用されることを願っています。
2005年07月 掲載