セルフメディケーションフォーラム2018仙台

セルフメディケーションフォーラム2018仙台
S-1
わが国の医療に貢献するかかりつけ薬剤師および健康サポート薬局の充実を目指して
福島県 薬務課長  木村 隆弘

【セルフメディケーションと地方行政】
行政の立場から、様々な計画の策定に携わってきたが、保健福祉分野の中心は医療計画と高齢者福祉計画だと思っている。わが国は、世界にも類を見ない超高齢社会に突入しており、そのことで生じる様々な問題に対応していくことは必須である。
 わが国では今の保険医療制度を維持することを決めている以上、適正医療の推進が重要な課題となってくる。医療費の伸びを抑えないと財政が破綻することが見えているので、セルフメディケーションの推進は非常に効果的対策のひとつとなる。

【かかりつけ薬局、健康サポート薬局】
 すべての薬局が「かかりつけ薬局」に、その1/4程度が「健康サポート薬局」になることが想定されている。かかりつけ薬剤師/薬局だからこそ、患者情報が一元的に管理でき、24時間対応も採れるし、医療機関とも連携して対応できる。しかし、健康サポート薬局の届出数は、全国58,000件のうち1,003件(H30.6末)となったところで伸びていない。
 「主体的な健康の保持増進を積極的に支援する機能」の実践をどのように図るのか? 住民に対する健康講話や健康祭りへの参加など従来から対応してきていたが、これらは患者と薬剤師の関係構築に効果的であり、そこは薬局およびそこに勤務する薬剤師の力量によるところが大きいと思う。

【健康サポートの一環としての認知症対応薬局】
 行政は、現在の住民のニーズを考えて施策を企画立案するが、実践は大きな穴から埋めていくという感覚をもっている。薬務関係業務においても、超高齢社会を意識し、また住民ニーズを考えたとき、特に医療計画などで課題になっていたのが認知症対策であった。仙台市薬剤師会における組織的な取組があることを知り、この事業は住民へのメリットが非常に大きいと感じたので県として取り組むこととした。この事業の本質は、軽度認知障害(認知症予備群)の段階で見つけることに力を入れている。よって必ずしも服薬になるわけではないため介護予防事業に繋げることもあり、まさに健康サポートになっている。福島県の認知症対応薬局は100件を超えたところである。

【いまこそセルフメディケーションそして健康寿命延伸へ】
 セルフメディケーションは、軽い症状の時点で自分の判断で一般薬を使って治すことだが、かかりつけ薬局は、さらに一般薬の指導を丁寧に行う必要性を感じている。患者自らが治療に積極的に参加する意識を醸成することができるからである。セルフメディケーションの知識は、医療用医薬品の知識にもつながり、必ず患者本人のためになるので、この意味でも重要と考える。
 例えば、2009年の新型インフルエンザ発生時の初期対応では、総合感冒薬の服用により様子を見ることで新型インフルエンザか否かをある程度予測し、その疑いのある患者だけを発熱外来に誘導したという経験がある。一般薬で様子を見る対応を行った結果、かなりの相談者は症状が緩解したので新型インフルエンザの疑いが少なくなっていた。そうでないと、発熱外来はパンクしていたと思う。日頃から一般薬を使用していた患者に限ることかもしれないが、医療機関側の対応が整うまでの間は、特に有効だった。
 このケースに限らず、セルフメディケーションの知識は、学べば学ぶほどに何よりも健康寿命の延伸につながってくることを生活者に知ってほしいと思う。

キーワード:健康サポート薬局、認知症対応薬局、セルフメディケーション、医療計画、健康寿命



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2018年11月 更新